当社は公共入札への参加資格は無く、このような形で一緒に参加するしか方法がありませんので、非常に良い機会でした。
声を掛けて頂いたお客様は主に鉄道関係のシステムを多く受託開発している会社で、多くの実績と売上を上げている企業です。
この会社の社長とはかなり前に同じ会社に勤めていたことがあり、自分がスピンアウトしたのと同じぐらいのタイミングで彼も起業しました。
起業してからまっすぐ会社を成長させてきていて、今では社員37名を抱える立派な会社になっています。
それはさておき、入札に関しては、以前にも何度か経験していますが、今回はちょっと特別な思い入れがありました。
8月頃、自信を持って入札に臨もうとしていた補正予算絡みの案件が、政権交代のお陰で入札もままならず、流れてしまったこと。
当社としては、そこに期待していた売上を少しでも回復したいという思いがあります。
それと、今回声を掛けてもらった会社からは、以前からいろいろお話を頂いていたのですが、なかなか応えられなかったので、今回は何とか一緒に仕事をする機会を得たいという思いです。
案件の概要を聞き、研究所の方とも打ち合わせさせて頂き、研究内容に関しては、概ね理解しました。
しかし、鉄道分野の研究開発ということもあって、自分としては未知の領域での仕事になります。
普通、この状態では、自分としては見積は書けません。絶対に失敗しない、という自信がないためです。
しかし、この仕事は自分としても是非やってみたい、と思いました。技術的な興味があったのです。
今回の研究開発内容は、「画像認識」という技術領域になります。
少し話が逸れますが、当社が得意とする技術領域として、「認証システム」という領域があります。
電子認証では、電子証明書の交換を行うことで双方が認証を行い、セキュリティを確保するPKIという手法が一般的なものです。
PKIにおいてシステムが関係するのは、この証明書の生成・転送・保管・暗号化・複合化、といった部分であり、技術的に確立された仕様体系の上に実現されるもので、今ではそれもオープンソースで提供されており、誰でも利用することができます。
但し、これを運用の中でスムーズに取り扱うには、インフラに関する知識や、一般企業でのシステム運用・アプリケーション利用知識が必要になります。当社の場合は、そのあたりの経験を多数持っているのが強みです。
もう一方にバイオメトリック認証という世界があります。
指紋や虹彩や静脈紋などの、個人個人で特徴が異なるもので、偽装不可能なものを個人を認証するための鍵にするという技術です。
こちらも、現在は様々なデバイスが出てきており、導入ハードルは高くないので、こちらも普及しています。
両技術とも、現在では一般的ですが、発生から長い熟成を経て現在があります。
オリジナルのアイデアやロジックを考えた人々は多くの難題・課題をクリアし、要素技術の特定部分で成功します。
それを継承した人たちが、更なる研究を重ねることで、一般に利用可能なものに成長していく、という過程を経るのだと思います。
今では私たちの会社でもその技術を取り入れて、お客様からのニーズに応じたシステムやサービスを提供することが容易に可能になっています。
画像認識技術も最近は市販製品の中にも取り入れられており、私たちの身の回りでも目にするようになりました。
とはいえ、それを使って当社がオリジナルな利用形態を生み出したり、お客様に満足いただけるサービスを提供するところまでは至りません。
特に、情報セキュリティシステムの中では、顔認証などが99%の確度で適応できれば、暗証番号やパスワードなどの中途半端なものは不要になる可能性がありますが、認識率を上げる基礎的な研究開発に当社が独自で(自腹で)取り組むわけには行きません。
でも、今回のように案件として受注できれば、いろいろな意味で面白い取組みができると思います。
技術的には専門性を要求される分野だと思いますが、情報科学的な要素からアプローチできれば、我々にもチャンスはあると思いました。
そこでいろいろと情報を探してみると、OpenCVというオープンソースプロジェクトを、当社の専務が見つけてくれました。
早速、プログラミングに関する文献などを探したところ、既に数冊の翻訳本と、日本人の著書があったので、何冊か購入して検討を始めました。
そして、これがあれば、何とか今回の案件の要求に応じることができるだろうと思い、見積りを書くことにしました。
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ブログの中では、「どうしたら提案機会を得られるだろうか」四苦八苦している状況を書いていますが、今回の場合は、提案機会は得られましたが、その後、実際に提案するまでと、提案してから落札するまでの苦労を書いてみたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
